先月、玄関周りとお庭の外構工事をさせていただきました。庭が大きなお宅で、なんと古井戸がありました。
そして、もっと驚く事に「まだ普通に水が汲める」との事。試しに据え付けてあるポンプをキコキコと動かしてみると、しばらくして透明度の高い水が勢い良く出てきました。
とてもヒンヤリとして、美味しそうな水でしたが、水質がわからないという事なので飲むのはやめておきました。でもきっと飲料水につかえなくても、スイカを冷やしたり、庭木に水をまいたりするのには最適でしょうね。
江戸時代の東京においての井戸は、地下水をくみ上げる為のものではなく、地下に埋められた玉川上水を取水する装置だったそうですね。形としては井戸ですが、汲めるように溜まるまでに時間がかかったそうで、桶に水が溜まるまで近所の人たちとおしゃべりする事を「井戸端会議」と言うのはここから来ているそうです。
そういえば、有名な江戸の怪談「番町皿屋敷」や、映画にもなった「リング」など、怖い話に重要な役目として井戸は登場しますね。たしかに覗き込むと顔が映り、一旦落ちてしまったら上がるのが難しいので、怖い話に頻出するのも納得です。水温だけでなく背筋にもヒンヤリの、井戸のおはなしでした。